2012年7月31日火曜日

フジロック


フジロックから帰宅後、汗にまみれた衣類を洗濯機にぶち込んでコンビニで買った缶ビールを開けてオリンピックを観ながらボーッとしていたら、電話がかかってきた。

着信はIさんからだった。

彼女は2007年のフジロックで知り合って以来毎年苗場で会っていて他のフェスやイベントでもよく会う本当に仲の良い横浜に住んでいる友達だった。

今年はフジロックに行けないとメールを貰っていたので「フジロックどうだった?」みたいなことを聞きたいのかなと思い電話に出た。

すると、聞こえてきたのは野太い男性の声で一瞬戸惑った。

その男性はIの弟だと名乗った。

「田口さんの携帯で間違いないですか? 」

Iの事を友人から聞いてないかと訪ねられ

悪い予感がした。

「Iが先日亡くなりました。自ら命を絶ちました。遺書が書かれていて田口さん宛に自分の所有しているCDのリストを送って欲しい物を貰って欲しいと書かれていたので連絡させてもらいました。」

声を震わせながら、住所を伝え電話を切った。


何故、自ら命を絶ったのか

病気でも患っていたのか

詳しい事は聞けなかった。

なんでだよ!と泣くことしか出来ない

フジロックの後、現実に戻され後遺症の様に胸にぽっかり穴が空いたような気持ちになることはあったけど、このタイミングでこんなに辛い気持ちになるとは思いもしなかった。

彼女との出会いがフジロックに行き続ける理由でもあった。

常に明るく自由奔放で笑顔が素敵な憧れの女性だった。


一緒にケミカルやMUSICで踊り狂ったり、川で水鉄砲で遊んだり、芝生に寝そべってくだらない話をしたり。

フジでの思い出は数え切れない。

友達が居なかったフジロックで自分の居場所を作ってくれた。

今の自分が居るのは彼女が居たからだ。

もう、会えないなんて信じられない。


よく晴れた今年の苗場に鳴り響いた井上陽水の傘がないが心の中で流れている。